(コメント)
“脳の働きを改善する食べ物”として、
アメリカの料理専門ケーブル『Food Network』のサイトに掲載された記事を参考に、
葉野菜、卵、鮭、ベリー類、ブロッコリーの五つが挙げられています。
葉野菜、ベリー類、ブロッコリーは、何となく体に良さそうですが、
卵や鮭は以外な食材です。
記事によると、卵には、記憶力を助ける栄養素コリンや、筋肉を作るタンパク質、視力にいいルテインなどが
たっぷり入っているそうです。
卵の黄味には、卵黄レシチンが含まれています。
この卵黄レシチンは、フォスファチジルコリンとも呼ばれ、
コリンの供給源です。
ルテインは、カロテノイド(カロチノイド)の一種で、
紫外線やブルーライトの害を防ぐ効果があると言われています。
健康食品・サプリメントに利用されるルテインは、
マリーゴールド由来のものが多いですが、
卵にも含まれているようです。
このルテインは、加齢黄斑変性(AMD)に有効であるとされ、
アメリカでは人気があります。
日本では、アイケアのサプリメントと言えば、ブルーベリーが有名ですが、
ブルーベリーのエビデンスは、
ルテインに比べると弱いようです。
鮭には、オメガ3脂肪酸がたっぷりと含まれ、
脳の発達や機能を改善し、炎症を防ぐと
考えられています。
また、記事には書かれていませんが、
鮭には、アスタキサンチンも含まれています。
鮭の切り身は、赤い色をしているので、
赤身魚かと思われがちですが、
実際は、白身魚で、
アスタキサンチンの色で、赤く見えるということです。
このアスタキサンチンも、ルテイン同様、
カルテノイドの一種です。
一般に、脳は、変なものが入ってこないように、
関所(せきしょ)のような所があり、
これを血液脳関門(けつえきのうかんもん)と呼んでいます。
アスタキサンチンは、この血液脳関門を通過することのできる物質で、
このことから、脳にも良い影響があると考えられています。
ルテインやアスタキサンチンなどのカルテノイドは、
活性酸素のうち、一重項酸素(いちじゅうこうさんそ)と呼ばれるものを
消去する効果があります。
すなわち、抗酸化作用があります。
記事にあるものの他、頭に良いと言われている健康食品・サプリメントとしては、
ヒューパジンA(ヒューペリジンA)、ギャバ(γ-アミノ酪酸)、銀杏葉、バコパ・モニエラ、ガラナ、イワベンケイ、ビンカマイナーなどがあります。
ただし、医薬品ではありませんので、
その点は注意しましょう。
覚醒剤などは、頭をスッキリとさせる効果があるかもしれませんが、
覚せい剤取締法で取締の対象になりますので、
決して使用しないようにしましょう。
認知症に、抑肝散(よくかんさん)が効くと話題になったことがありますが、
抑肝散は、認知症に伴う症状を緩和するだけで、
認知症そのものに効果があるわけではありません。
認知症に良く使われる漢方薬としては、
抑肝散の他に、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などがあります。
漢方薬は、病名だけで使用すると、効果が無いばかりか、副作用が出ることもあります。
必ず専門家に相談して使用しましょう。
漢方薬もれっきとした医薬品です。