2014年06月29日

追加接種必要な百日咳ワクチン



(コメント)
風邪薬を飲んでも治らない咳は、
もしかすると百日咳かもしれません。

百日咳は2010年や2012年にも流行したことがありました。

百日咳はもともと、子供の病気と考えられていましたので、
予防接種も、子供を対象としたものになっています。

日本では、ジフテリア、百日咳、破傷風を合わせた
三種混合ワクチンが長く使われていました。
Diphtheria、Pertussis、Tetanusの頭文字をとってDPTワクチンとも呼ばれます。

2012年には、不活化ポリオワクチン(inactivated polio vaccine)を加えた
四種混合ワクチンも使われ始めました。

このように、子供のうちに、
百日咳の予防接種はうけることがほとんどなのですが、
この効果が、永久に続くわけではなく、
大人になった頃には、効果が無くなっていることが多いようです。

子供が百日咳になると、
死につながる恐ろしい病気ではありますが、
大人の場合は、そこまでひどくなることはありません。
しかし、感染した大人がいると、
まだ免疫ができていない子供への感染源になる可能性があり、
そういう意味では危険です。

百日咳の治療には、
エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどの
マクロライド系抗菌薬が使われます。

ただ最近は、耐性を持つ菌が増えていて、
マクロライドでは効果が無いことも多いようです。
ニューキノロン系抗生物質、セフェム系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質なども使われます。

痙咳に対しては鎮咳去痰剤や痰の吸引、時に気管支拡張剤、酸素吸入などを行ないます。

重症例ではγグロブリンを大量投与することもあります。

その他、治療としては、十分な栄養と水分補給が重要で、
更に、咳の発作を誘発させないように、室温20℃以上にして、低温を避け、
加湿器により室内の湿度を上げ、
水分を充分に与え、粘性の高い痰を出しやすくします。

煙草(タバコ)や煙も、咳を誘発しますので、
避けるようにします。


抗菌薬の発達で、漢方薬を使う場面は少なくなりましたが、
漢方薬も効果を発揮することがあります。

百日咳に良く使われる漢方薬としては、
小柴胡湯(しょうさいことう)と半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)との合方である
柴朴湯(さいぼくとう)、
小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、
橘皮竹筎湯(きっぴちくじょとう)、
麦門冬湯(ばくもんどうとう)、
甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
皀莢丸(そうきょうがん)、
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、
麻杏甘石湯加半夏茯苓陳皮生姜(まきょうかんせきとうかはんげぶくりょうちんぴしょうきょう)、
頓嗽湯(とんそうとう)、
などがあります。

民間薬としては、
南天の実、
仙人掌(さぼてん)
蓮根(れんこん)の汁
蜆(しじみ)の殻の粉末
弟切草(おとぎりそう)と甘草
梅干と蜂蜜
天花粉と人参粉
土竜(もぐら)の黒焼
梨の蒸焼
金柑(きんかん)の氷砂糖煮
なども利用されています。

大麻取締法で禁止されていますので、現在は使えませんが、
昔は、大麻も百日咳に利用されていたようです。

風邪と思って風邪薬を飲んでも
咳がなかなか止まらないような時は、
百日咳を疑ってみた方が良いかもしれません。

posted by HIRO at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。