(コメント)
MERSは、Middle East respiratory syndromeの略で、
日本語では、中東呼吸器症候群(ちゅうとうこきゅうきしょうこうぐん)と言います。
MERSは2012年に中東へ渡航歴のある症例から、
イギリスのロンドンで発見された
新種のコロナウイルス(Coronavirus)による感染症です。
コロナウイルスは、一本鎖(+)RNAウイルスの
ニドウイルス目のコロナウイルス科のウイルスを指し、
コロナウイルス亜科、トロウイルス亜科を含みます。
エンベロープ表面に存在する突起によって
太陽のコロナのような外観を持つことから
コロナウイルスと呼ばれるようになりました。
一時、日本で騒がれた、
SARS(サーズ)も、このコロナウイルスの一種です。
MERSコロナウイルスに感染すると
2〜15日の潜伏期を経て、
重症の肺炎、下痢、腎障害等を引き起こします。
2014年5月26日までに、WHOに報告された情報では、
MERSコロナウイルスに感染した確定患者は635名で、
そのうち、死亡者は、193名で、
致命率は30%とされています。
60歳以上の高齢者や
糖尿病や心肺疾患などの他の慢性疾患を患っていると、
特に致死率が高くなるようです。
MERSコロナウイルスに対抗するための特別な治療薬やワクチンは
残念ながらありません。
風邪薬を飲んでも効かないというわけです。
まぁ、もともと通常の風邪薬は、
症状を抑えるだけで、
風邪を治しているわけではありません。
今回、MERS患者が海外で急増したことから、
患者の強制入院などを可能とする
「2類感染症」に指定することを決めたとの記事です。
前から話題になっていたので、
今頃の指定かと、逆にびっくりした。
一般的には感染しにくく、限定的なようですが、
家族や病院での濃厚接触による感染はあるようです。
サウジアラビアなど、中東へ旅行した後に、
風邪のような症状が現われたら、
MERSを疑ってみた方が良いかもしれません。
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