記事によると、「1日のコーヒーの摂取量を4年間かけて1.5杯分ほど増やした人は、
同じ量のコーヒーを飲み続けた人よりも2型糖尿病にかかる可能性が11%低かった」
とのことです。
更に、「最もコーヒーの摂取量が多かったグループ(1日3杯以上)は
2型糖尿病のリスクが最も低く、1日1杯以下の人と比べて37%低かった」
とも書かれています。
コーヒーを1日3杯以上飲んでいた人でも、
1.5杯分を増やすと、更に糖尿病のリスクは低下するのでしょうか?
「カフェイン抜きのコーヒーでは、
摂取量の変化と2型糖尿病リスクとの間に関連性は見つからなかった」
とのことですので、
カフェインが重要な役割があるのかもしれませんが、
一方で、カフェインの含まれる紅茶でも
「2型糖尿病リスクとの間に関連性は見つからなかった」
とのことですので、
カフェインだけが重要なわけでは無いようです。
コーヒーというと、「胃に悪い」などと言われ、
余り健康に良いイメージはありませんが、
近年はクロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールなどに
健康効果があると言われ、
注目されています。
クロロゲン酸は、コーヒーの悪味や雑味の原因物質として永く敬遠されてきた成分です。
大豆イソフラボンも今でこそ、健康食品として注目されていますが、
やはりえぐみの元として、嫌われていました。
どちらも、ポリフェノールですので、
そういう意味では似ているとも言えます。
ワインのポリフェノールの場合は、
渋味も味わいのうちとされているので、
同じポリフェノールでも扱いが違います。
クロロゲン酸は、
ドイツの製薬会社によって、
肝臓の糖新生(とうしんせい)に関与する
律速酵素(りっそくこうそ)である
グルコース-6-フォスファターゼの
選択的阻害剤であることが明らかにされ、
糖尿病や肥満の予防に効果があると考えられています。
更にコーヒーに含まれるカフェインには、
エネルギー消費と脂肪分解を促進する働きがあることが
知られています。
このクロロゲン酸とカフェインの両方の働きで、
糖尿病のリスクが減少したのではないかと考えられます。
カフェインレスのコーヒーでは、
クロロゲン酸の効果しか無いので、
はっきりとした効果が出なかったのかもしれません。
また、紅茶には、クロロゲン酸が含まれず、
カフェインの効果しか期待できないので、
糖尿病のリスクを低減できなかったのかもしれません。
ただ、この研究は、コーヒーメーカーから資金提供を受けたことがある人が
参加していることや、
「摂取量ではなく、摂取の変化量を測定したものである」点など、
ちょっと割り引いて考える必要がありそうです。
また、通常のコーヒーは焙煎したものが使われますが、
健康食品の素材としては、
焙煎していない、生コーヒー豆も使われています。