ホウレンソウに含まれるチラコイドと呼ばれる成分が、食間の食欲を減らす効果があるとの記事です。
ただ、良くわからないのが、
「チラコイドは、
腸の上部だけで消化される傾向のある加工食品に対して、
異なる作用を及ぼす。
この化合物により、
われわれを満腹だと感じさせる複数の主なホルモンの
脳への放出が抑制されるという。」
という部分です。
満腹を感じさせるホルモンの放出が抑制されると、
満腹を感じにくくなり、
逆に食べ過ぎてしまうような気がするのですが、
どうして食欲抑制につながるのでしょうか?
ホウレンソウは、英語ではSpinachと呼ばれ、
漢字では「菠薐草」と書いたり、
「法蓮草」と書いたり、
「鳳蓮草」と書いたりします。
ホウレンソウの学名(ラテン名)は、Spinacia oleracea で、
ヒユ科の植物です。
(アカザ科とする本もあります)
ホウレンソウの原産地は、中央アジアから西アジアと考えられています。
現在のイランで栽培が始まり、
ヨーロッパや東アジアにも広まったようです。
ヨーロッパに伝わったのは、中世の末期で、
アラブから持ち込まれました。
東アジアにはシルクロードを通って広まり、
中国には7世紀頃に持ち込まれたと考えられています。
ちなみに、「菠薐」とは、ペルシア(イラン)のことだそうです。
日本への伝来は中国に比べると遅く、
17世紀頃、つまり江戸時代に渡来したとされています。
独眼竜で知られる伊達政宗もホウレンソウを食べたそうです。
現代の日本には
江戸時代の初期に中国から伝わった東洋種と、
明治以降にヨーロッパから入ってきた西洋種と、
東洋種と西洋種の交雑種があります。
一般的なのは、この交雑種のようです。
ホウレンソウには、
β−カロテン(ビタミンA多駆体)や
葉酸、鉄分が多く含まれていると言われています。
また、記事の成分とは異なりますが、
スピナコシド(spinacoside)類と
バセラサポニン(basellasaponin)類には
小腸でのグルコースの吸収抑制等による
血糖値上昇抑制活性があるとの情報もあります。
つまり、糖尿病やダイエットに良いと考えられます。
ただし、ホウレンソウにはシュウ酸(蓚酸)も多いので、
注意が必要です。
シュウ酸は、カルシウムの吸収を阻害したり、
体内でシュウ酸結石を形成したりすると
考えられています。
記事に書かれている「チラコイド」は、
「ホウレンソウをそのまま食べるだけでは十分でない」
また、
「人間の体は、生のホウレンソウから
直接チラコイドにまで分解することはできない」
とのことです。
チコライドを摂取するには、
「ホウレンソウをつぶしてろ過し、
遠心分離機にかけ、
ホウレンソウの細胞からチラコイドを抽出することが必要だ。」
と書かれていますが、
こんなことをしての食事は難しそうです。
医薬品としての開発は可能なのでしょうか?
健康食品・サプリメントになるのがせいぜいの所かもしれません。