(コメント)
乳酸菌とは生物学的な言葉ではないので、
はっきりとした定義はありませんが、
一般的には、乳酸菌産生する細菌を乳酸菌と呼んでいます。
ただ、この言い方だと、乳酸菌を産生する大腸菌がいたり、
ビフィズス菌は、乳酸の他に酢酸も産生するので、
乳酸菌に入れない場合もあるなど、
混乱もあります。
一般的に乳酸菌と呼ばれるものは、
ラクトバシラス属 (Lactobacillus)、
ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium)
エンテロコッカス属 (Enterococcus)
ラクトコッカス属 (Lactococcus)
ペディオコッカス属(Pediococcus)
リューコノストック属 (Leuconostoc)
の6属のものです。
また、乳酸菌と言えば、有益な菌というイメージが高いですが、
日本酒を作る時に入ると、
異臭・酸味を生じて酒の商品価値を下げてしまいますので、
ある意味、悪玉菌です。
今回の記事では、
ラクトバチルス・ロイテリ菌が、
歯周病菌の「P.g菌」「A.a菌」を10分の1程度まで抑制するとのことです。
更に、L.ロイテリ菌を含有するヨーグルトを14日間毎日摂取させたところ、
摂取前を100%とすると、14日後には20%にまで虫歯の原因菌
「ミュータンス菌」が減ったというデータもあるそうです。
甘いヨーグルトでも、L.ロイテリ菌を含有するものであれば、
効果があるとのことですから、
ちょっと不思議な感じです。
食事の後に、このヨーグルトをデザートで食べれば、
歯みがきは、不要なのでしょうか?
さすがに、歯ブラシや糸楊子を使った
歯みがきは必要だと思いますが、
出先などで歯みがきができない時は、
このヨーグルトを食べるだけでも良いかもしれません。
今井龍弥先生は、
市販の整腸薬等でも歯周病に効果があると言っています。
また、「強力わかもと」で有名な、
わかもと製薬が、
乳酸菌を配合した歯みがき剤を市販しています。
その他、ライオンは、
LS1と呼ばれる乳酸菌を配合したタブレットを
オーラルケア用に販売しています。
LS1は、Lactobacillus salivarius TI2711 のことで、
東海大学医学部感染症研究室 古賀泰裕教授のグループにより
健康なヒトの口腔内から分離された乳酸菌です。
歯周病や虫歯の予防には、
歯みがきが一番ですが、
このような乳酸菌を利用するのも良いかもしれません。