ビールは、「液体のパン」とも呼ばれるます。
ビールの歴史は非常に古く、確認されているものでは、
紀元前4000年以上前までさかのぼります。
その頃、メソポタミア文明のシュメール人により
大麦を使い作られていたとされる
「モニュマン・ブルー」と呼ばれる粘土板の資料があります。
この粘土板に、当時のビールのつくり方が描かれています。
メソポタミアで人類が農耕生活をはじめた頃、
放置してあった麦の粥(かゆ)に酵母が入り込み、
自然に発酵したのが起源と考えられています。
メソポタミア地方は、気温が高く、
生水が飲用に適さなかったこともあり、
ビールは、安全性、栄養価とも高い飲み物として利用されていました。
古代エジプトにおいては、メソポタミアよりやや遅く、
紀元前3世紀頃の時代の資料に、ビールの痕跡が確かめられています。
小麦の原産地が西アジアであることと、
メソポタミアに残っている記録の方が古いことから、
メソポタミアからビールの製法が
エジプトに伝わったのではないかとも考えられています。
今回の記事は、そのエジプトのビール製造に関するものです。
ビールは「液体のパン」と呼ばれるように、
栄養が豊富だと言われています。
ビール100gに含まれる栄養素としては、
たんぱく質:0.3g
カリウム:34mg
マグネシウム:7mg
ビタミンB2:0.02mg
ビタミンB6:0.05g
ビタミンB12:0.1mg
葉酸:7μg
です。
その他、ビタミンB1、パントテン酸、ニコチン酸、ビオチン、イノシトールなどのビタミンB群が含まれています。
ビタミンB2は脂質の代謝に関与する補酵素として働きます。
他のビタミンB群も、広く代謝に関わります。
また、ビールに含まれるアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)は、
胃腸を刺激して、活発にします。
更にビールに含まれるホップには、
様々な健康効果が期待されています。
ホップに含まれる成分「β―ユーデスモール」が、
リラックスやくつろぎ感をもたらします。
更に、血糖値の上昇抑制作用、
骨密度の減少抑制作用、
動脈硬化抑制作用、
肥満防止作用なども注目されています。
また、ホップに含まれる「キサントフモール」という成分には、
動脈硬化予防効果成分やガンの抑制効果などが期待され、
研究が進められています。
このように様々な健康効果が期待されるビールですが、
飲み過ぎは、やはり体に良くありません。
適量は、ビールなら大ジョッキ1杯(633ml)くらいと言われています。
ちょっと少ないでしょうか?
ビールに含まれるアルコールは、
麻向法(麻薬及び向精神薬取締法)で取締まられる
麻薬や向精神薬ではありませんが、
依存症を発生させる意味では、
ある意味、麻薬のようなものです。
大麻は大麻取締法で規制されている為、
麻薬ではありませんが、
脳に作用するという意味では、
覚せい剤取締法で規制される覚醒剤や
麻向法で取締まられる麻薬などと
同じような点があります。
アルコールは、大麻取締法、覚せい剤取締法、麻向法のいずれでも
取締まりの対象とはなっていませんが、
これは、文化的な面、慣習的な面が強いと思われます。
中東の方では、宗教的にアルコール類は禁止されていますが、
大麻は認められています。
(法的には禁止されている場合が多いようです)
アメリカでは、禁酒法が出たことがありましたが、
密売されて、逆にマフィアの資金源となったなど、
世紀の悪法などと言われています。
アルコールは、ある意味、麻薬のようなものですから、
節度をもって接したいものです。