2013年12月09日

果糖(フルクトース)、取り過ぎ要注意 脂肪肝など生活習慣病にも

(コメント)
 ダイエットの敵として見られかちな糖質ですが、
大人の脳は1日に大さじ14杯分、
つまりおよそ120gの砂糖が必要だとされています。

砂糖(ショ糖)は食べると、
小腸など消化管の中で果糖(フルクトース)と
ブドウ糖(ブドウ糖)という2種類の単糖に分解され、
吸収されます。

この分解の時に関わるのが酵素で、
蔗糖(しょとう、砂糖)を加水分解して
果糖とぶどう糖を生成させる酵素のことを
サッカラーゼやインベルターゼ、インベルチンと言います。

ブドウ糖(グルコース)は、全身の細胞をめぐってエネルギー生産に使われます。
それに対して、果糖(フルクトース)は肝臓だけで代謝され、果糖は血糖値を上げません。
さらに甘味は強く、ブドウ糖より低カロリーという特性もあり、
体に良いというイメージが浸透していました。
果糖(フルクトース)と言われるように、果物(フルーツ)に多く含まれていることも、
健康に良いイメージが持たれた原因かもしれません。

ブドウ糖(グルコース)は血糖値を上げてインスリンの分泌を増やしてしまうものの、
脳の満腹中枢(まんぷくちゅうすう)に働いて
食べ過ぎを防ぐという面もあります。
それに対して、果糖(フルクトース)には
食欲の抑制の仕組みがありません。
そのため、肝臓で余った果糖は脂肪になって蓄積し、
脂肪肝などにつながるとも言われています。

かつて果糖はブドウ糖に変換されると考えられたこともありますが、
最近では10%くらいしか変換されないといわれています。

果糖(フルクトース)は果物に含まれている旨は書きましたが、
果物には、食物繊維も含まれているため、
吸収がおだやかですが、
清涼飲料水などに配合された果糖は、
急激に吸収されてしまいます。

この清涼飲料水などに含まれる果糖を大量に摂取すると
肥満や糖・脂質・尿酸の代謝異常、高血圧とメタボの症状になりやすいようです。
尿酸は果糖た関係ないように思われがちですが、
果糖にはプリン体そのものは含まれていないものの、
体が果糖を分解するときにプリン体ができてしまうのだそうです。

清涼飲料水に使われる果糖を含んだものは、
異性化糖と呼ばれます。

異性化糖の異性化とは、
分子式を変えることなくその化学構造を変える反応をいいます。
異性化糖とは、デンプンを酵素又は酸により加水分解して得られた主としてぶどう糖からなる糖液を
酵素又はアルカリにより異性化した果糖又はぶどう糖を主成分とする糖をいいます。

異性化糖は日本農林規格(JAS)で
 1.ブドウ糖果糖液糖
 2.果糖ブドウ糖液糖
 3.高果糖液糖
 4.砂糖混合異性化液糖
の四つに分けられます。


ブドウ糖果糖液糖は、果糖含有率が50%未満のものです。
果糖ブドウ糖液糖は、果糖含有率が50%以上90%未満のものです。
高果糖液糖は、果糖含有率が90%以上のものです。
砂糖混合異性化液糖は、上記の液糖に 10% 以上の砂糖を加えたものです。
例えば、砂糖を加えた液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖となります。

異性化糖が清涼飲料水に使われる理由として
砂糖よりも価格が安いこともありますが、
その他に、砂糖より甘みが口中に残りにくく、
低温下で甘味度を増すというのも大きな理由です。

健康の為には、果糖の摂取には気を付けたいものです。

ただ、最近話題になっている希少糖(きしょうとう)も、
この異性化を利用して使られています。

何森(いずもり)教授が、希点糖を作る酵素を発見して、
本格的な希少糖の研究が香川県で始まったのですが、
現在商品化されているものは、
松谷化学工業が、異性化を利用して製造しています。

実は、昔から、異性化糖を作る時に
希少糖はできていたのらしいのですが、
その頃は、不純物として、できるだけ希少糖ができないような条件で
異性化糖を作るようにしていたそうです。
ところが、希少糖に様々な効果が期待できることがわかり、
今度は、希少糖ができるような条件を探して、
製造するようになったとのことです。

不純物が実は役に立つというのも、
なんともいえず面白いものです。

posted by HIRO at 21:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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