2010年08月28日

うつ(鬱)に顕著な効果 ケタミン(麻薬)



(コメント)
 麻薬であるケタミンに、少量でも高い抗うつ効果があるとした研究結果が、米科学誌サイエンス(Science)に発表されたようです。

発表したのは、米エール大(Yale University)の研究チームです。

市販されている抗うつ薬は、効果が現れるまでに数週間かかるのに対して、
ケタミンは、数時間で抗うつ効果があらわれたということです。

更に、抗うつ効果は7日から10日間も持続するそうです。


エール大とは別に米国立精神衛生研究所(US National Institute of Mental Health)が行った研究でも、
既存の抗うつ薬で効果がみられなかった患者にケタミンを投与したところ、
投与から数時間以内で約70%の患者に効果が現れたとのことですので、
かなり期待できそうな結果です。


ただ、ケタミンは、静脈注射による投与が必要ですので、手軽に内服するわけにはいかないようです。

更に、副作用で一時的な精神障害を引き起こすこともあるとのことで、臨床での利用は制限されます。


ケタミン(Ketamine)は、解離性麻酔薬(大脳皮質などを抑制し、大脳辺縁系に選択的作用を示す)で、フェンサイクリジン系麻酔薬です。

NMDA受容体拮抗薬であり、中枢神経系のシナプス後膜にあるNMDA受容体に選択的に働き、興奮性神経伝達をブロックします。

1962年、アメリカ合衆国の製薬会社パーク・デービス社によって合成されました。
日本では、第一三共株式会社から塩酸塩としてケタラールRの名で販売されています。

記事では、静脈注射が必要となっていますが、筋肉注射でも良いようです。
麻酔銃の麻酔としてもかつては良く用いられていたようです。
ただし、2005年12月13日に厚生労働省から麻薬及び向精神薬取締法に基づく規則により麻薬指定され、2007年1月1日に施行されたため、現在は使い難くなっています。

副作用としては、悪夢を引き起こすことが多いことが知られています。

添付文書には、下記のものが副作用として上げられています。
1.無呼吸、舌根沈下、覚醒時反応、夢のような状態、幻覚、興奮、錯乱状態、激しい覚醒時反応
2.呼吸抑制、痙攣、喉頭痙攣、声門痙攣、全身痙攣
3.急性心不全
4.夢、発疹、悪心、嘔吐
5.眼振、眼内圧上昇、過敏症、皮膚紅斑
6.不整脈、低血圧、徐脈、血圧下降、血圧上昇、不随意運動、筋緊張亢進、頭痛、眩暈、ふらつき、呻吟、興奮、精神症状、流涙、複視、唾液分泌過多、口渇、食思不振、発熱、発汗、悪寒、顔面潮紅、なきじゃくり、しゃっくり
7.過呼吸、腹痛、眼瞼浮腫
8.依存性


もともとは、麻薬には指定されていなかったのですが、
不正に密輸入され若者の間での乱用(本来は主に動物病院での麻酔に使われる薬ですが、解離性麻酔薬であるため、ヒトがこの粉末を鼻孔吸入、もしくは経口摂取・静脈注射した場合、一種の臨死体験様作用が得られる)が問題となり、麻薬に指定されてしまったようです。

麻薬に指定されると、使用がかなり制限されてしまいますので、今回のような鬱(うつ)に効果があるということが判明しても、そう簡単には利用できるようにはならないかもしれません。

薬物の誤った利用が、正規の利用を制限してしまうという、残念な結果です。


うつは、心の風邪とも言われます。
この言葉は、「鬱には、誰でもなる可能性がある」ということを言ったもので、
風邪のように簡単に治ることを意味したものではありません。
(風邪もこじらせると、大変なことになることもありますが…)


鬱(うつ)病に良く使われる漢方薬
1.半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
 平素から胃腸が弱く、軽確の鼓脹(こちょう)、膨満感(ぼうまんかん)などを訴え、胃内停水がある愚者で、咽喉(いんこう;のど)に何か詰まっている感じ(梅核気(ばいかくき)、咽中炙肉感(いんちゅうしゃにくかん))のあるものに用いる。
このような患者は、発作性心悸亢進、取り越し苦労、不安感などにおびやかされて、一人で外出できないものが多い。このようなものを目標とする。

2.柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
 やや肥満型の人で、特に心下部(しんかぶ;みぞおち)が膨満して抵抗があり、便秘の気味で不眠、頭痛、めまい、心悸亢進などのあるものによい。

3.抑肝散(よくかんさん)
 刺激に興奮しやすく、神経過敏で怒りやすく、イライラして落ち着きのないものに用いる。不眠のあるものにもよい。

4.附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
 冷え症で、血色悪く、腹に力がなく、脈も沈んで弱く、全体に活気がなく、不安、めまいなどのあるものによい。

5.加味逍遥散(かみしょうようさん)
 鬱症の乳房張痛には逍遥散と言われます。
 背中が急にカーッと熱くなり汗が出て、そのあと寒くなる。不定愁訴(ふていしゅうそ)がむやみに多い。

その他、うつ(鬱)に使われる漢方薬については、下記もご参考下さい。
健康情報:うつ(鬱)に良く使われる漢方薬



posted by HIRO at 06:03 | Comment(0) | TrackBack(2) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ケタミン(麻薬)に、抗うつ作用
Excerpt: (コメント) 日本では、麻薬に指定されているようなので、簡単には応用できないかもしれませんが、 鬱(うつ )が社会的な問題となっている現在、少しでも効果があるものであれば、利用できるようにして欲し..
Weblog: 漢方・健康食品・サプリメントを中心として健康ニュース
Tracked: 2010-08-28 06:04

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