2010年06月23日

【健康】しわ取りボトックス療法に注意 未承認薬も多く健康被害も



(コメント)
 ボトックスは、商品名で、一般的な名称は、ボツリヌス毒素やボツリヌストキシン(Botulinum toxin)となります。

 ボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の産生する毒素で、食中毒の原因としても有名です。

 このボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)の毒性は非常に強く、自然界で最強とも言われています。
 致死量は体重70kgのヒトに対しA型毒素を吸入させた場合、0.7〜0.9μgと考えられており、ボツリヌス毒素1gの殺傷力は約100万人とも言われます。
 1984年(昭和59年)には、熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根(からしれんこん)を食べた36人がボツリヌス菌に感染し、内11名が死亡したという痛ましい事故もありました。

 ボツリヌストキシンは、分子量約15万のタンパク質です。
ボツリヌス毒素が神経筋接合部で神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を抑制し、筋収縮が阻害され、筋の攣縮(れんしゅく)および緊張を改善します。
 
 医薬品としてのボツリヌス毒素は、1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸、2009年には2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、同じく2009年に65歳未満の成人における眉間の表情じわの適応で薬事法上、承認されています。

 上記の他、ワキガや多汗症にも応用されることが多いようです。
更には、、過活動性膀胱やアカラシアの治療にもボツリヌストキシンの局所注射が有効というデータがあるそうですが、いずれも薬事法上認められた効能・効果ではありませんので、注意が必要です。
当然ながら、保険も適用されませんので、この点も注意が必要です。

 さて、記事によると、このボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)の価格が高いので、安い海外品を個人輸入して使っている所も多く、安全性や効果の面で注意が必要とのことです。

 個人輸入については、こと医薬品に限れば、メリットよりも、かなりリスクが高いと考えられます。

 薬は、正しく使ったとしても、副作用が発生する可能性は必ずあります。
 正規品である「ボトックスビスタ」の添付文書にも、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、血清病、重篤な角膜露出、持続性上皮欠損、角膜潰瘍、角膜穿孔、呼吸障害、嚥下障害、痙攣発作があらわれたとの報告があります。
 これらの副作用は、ある程度の確率で発生する可能性は避けられないということです。

 日本国内で薬事法を遵守して販売等されている医薬品、つまり正規品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります(抗がん剤などを除く)。しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。
 つまり、個人輸入した医薬品を使った場合、医師に過失が無ければ、全ては自己責任となってしまいます。
 上記にある副作用は、死につながることもありますので、充分な注意が必要です。

 更に個人輸入で問題なのは、偽物が多いということです。
 バイアグラの個人輸入品の多くは偽物だったという記事もあります。
偽物の中には、品質的に問題ないものもありますが、中には、有効成分がほとんど無く効果が期待できなかったり、不衛生な環境で製造されたりして健康被害が出易いものなどがあり、注意が必要です。
 個人輸入代行業者を利用している場合、個人輸入代行業者が騙されている可能性もありますし、個人輸入代行業者は知っていて偽物を扱っている可能性もあります。
 海外から輸入されるボトックス製剤として主なものは、下記の4つです。
 1.Botox® (米国アラガン社)
 2.BTXA(中国)
 3.ニューロノックス(韓国)
 4. ディスポート(フランス)



 記事に「患者は安全性に意識低く」として、「ボトックス療法を受けた患者の約8割が、自分に注入されたボトックスが正規品かどうか確認していないことが、日本美容医療協会が昨年12月に行った「しわに関する意識調査」で明らかになった。」と書いていますが、これだけで、安全性への意識が低いというのは、ちょつと語弊があるように思います。
そもそも、日本人の場合、別にボトックス療法に限らず、治療に使った薬を一々確認するような習慣は一般の人には無いように思います。
医師から処方された薬を、一々確認するような人は、どの程度いるものでしょうか?
だいたい、正式に認められていない薬を医師が使うとは思わないような気もします。


シワ(皺)に効果のある健康食品・サプリメントとしては、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの肌の構成成分や、抗酸化作用のあるコエンザイムQ10やポリフェノール等がありますが、科学的な根拠(エビデンス)は、無いようです。
 ただ、実感として感じる方は多いようで、健康食品・サプリメントとしては売れ筋です。

 ただ、薬事法上は、健康食品・サプリメントでシワが取れる・予防できる旨の広告はできないので、注意が必要です。

 化粧品も皺(しわ)に効果がある旨をうたっているものがありますが、化粧品の場合は、物理的にしわ目立たなくさせるもので、肌に働きかけて皺(しわ)を無くしたり、予防するものではありません。
 もし、肌に作用してシワを改善するような旨を広告していると、これは明らかな薬事法違反となります。
 化粧品は、あくまでも、しわを目立たなくさせるという効能でないといけません。
 (実際には、効果のある化粧品もあるようですが)



posted by HIRO at 07:01 | Comment(0) | TrackBack(2) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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