(コメント)
ローヤルゼリーは、ロイヤルゼリーとも呼ばれ、英語で書くとroyal jelly です。
王乳や蜂乳精と呼ぶこともあります。
蜜蜂から取れるものとしては、蜂蜜(はちみつ)が良く知られていますが、この蜂蜜とローヤルゼリーは全くの別物です。
蜂蜜は、甘くておいしいですが、ローヤルゼリーは、刺すような刺激があり、おいしいものではありません。
ローヤルゼリーは、女王蜂やその幼虫だけが食べることができると言われています。
女王蜂になる幼虫がロイヤルゼリーを食べられるというよりは、ロイヤルゼリーを食べた幼虫が女王蜂になるといった方が正しいかもしれません。
つまり、ローヤルゼリーを食べるか食べないかが、女王蜂になるかならないかと違いとなります。
女王蜂にならなかった蜂は、働き蜂となります。
女王蜂の表命は4年とされていますが、働き蜂は1ヶ月くらいの寿命しかありません。つまり、ローヤルゼリーを食べることで、寿命が約50倍にもなることになります。
ヒトが食べて寿命が長くなるのかどうかは、はっきりしたデータは無いようですが、昔から不老長生に効果があるのではないかと期待されています。
その他、更年期障害、自律神経失調症、老化、冷え症、肩こり、腰痛、動脈硬化、糖尿病など、様々な病気や症状にも効果があるのではないかと考えられています。
ロイヤルゼリーの成分で一番多いのは水分です。約66%を占めています。
残り34%のうち、たんぱく質は約11%、糖質10%、脂質7%含まれています。
その他、ビタミンやミネラルなど40種以上の成分がバランス良く含まれています。
上記のような一般的な栄養成分とは別に、ロイヤルゼリーに特有の成分としては、10-ヒドロキシデセン酸という成分があります。
この10-ヒドロキシデセン酸は、ローヤルゼリーに特有の脂肪酸です。ローヤルゼリーが殺菌力を持ち腐敗しにくいことなどの報告は、この物質の存在によるものです。
医薬品の規格値や定量などには、この10-ヒドロキシデセン酸が使われています。
また、類パロチンという成分も含まれています。この類パロチンとは、人間の唾液腺から分泌されるパロチンという成長ホルモンに似た物質です。パロチンは皮膚(真皮)の機能を維持する働きがあります。
ビオプテリンという物質も含まれています。
ノーベル賞学者のプテナント博士が発見した物質で、女王蜂への分化に関与しているとも言われています。
これらの物質だけで、ロイヤルゼリーの効能・効果が説明できないため、まだ未知の物質が含まれているのではないかと考えられています。
この未知の物質のことを、R因子やR物質と呼んでいます。
このRは、Royal Jellyの頭文字から取られています。
解明が進めば、R因子もはっきりとする時が来るかもしれません。
蜂由来の健康食品・サプリメント素材としては、ロイヤルゼリーや蜂蜜の他、プロポリス、蜂の子、露蜂房(スズメバチの巣)などがあります。
蜂毒を使う療法もあります。
蜂には、アレルギーを起こす可能性がありますので、注意が必要です。
なお、ロイヤルゼリーは、薬事法上は医薬品にも健康食品にも使用が可能です。
ただし、医薬品でない、健康食品・サプリメントでは、効能効果をうたうと、薬事法違反となりますので、注意が必要です。