(コメント)
血中のアルコールを「驚くべきスピード」で分解する「革新的製品」炭酸飲料がフランスで販売されるとの記事です。
同様の製品がカナダ等では販売されているとも書かれていますが、実際の効果は、どの程度なのでしょうか?
血中に入ったアルコールを分解するのは、なかなか難しいと思います。
この記事が本当ならすごいことです。
二日酔いを防ぐ漢方薬としては、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)や三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)が有名です。
藤平健先生は、三黄瀉心湯を飲み続けていると、お酒に強くなる旨を本で書かれていました。
また、二日酔い(宿酔)の症状を改善する漢方薬としては、五苓散(ごれいさん)が良く使われます。
黄連解毒湯と五苓散を合わせた「五苓黄解 内服液」というドリンク剤も市販されています。
【効能・効果】は
飲みすぎ、はきけ(二日酔・悪酔のむかつき、むかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)、食欲不振、消化不良、胃部・腹部膨満感、胃弱、食べ過ぎ、胸やけ、もたれ、胸つかえ、嘔吐
となっています。
【用法・用量】は、
次の量を食前または食間に服用してください。 1日服用回数 大人(15歳以上)1本 3回 15歳未満服用しないこと
となっていますが、普通は、二日酔いの時に一本飲むだけだと思います。
その他、お酒に関わる漢方薬としては、日本の漢方では余り用いませんが、葛花解醒湯(かっかげせいとう)という漢方薬方があります。
内容は、木香(もっこう)・人参(にんじん)・猪苓(ちょれい)・茯苓(ぶくりょう)・陳皮(ちんぴ)・白朮(びゃくじゅつ)・乾姜(かんきょう)・神麹(しんぎく)・沢瀉(たくしゃ)・青皮(せいひ)・砂仁(さじん)・白豆蒄(びゃくずく)・葛花(かっか)です。
『蘭室秘蔵』(李東垣著)という古い書物に出ています。
主薬となる葛花は、クズの花のことです。
クズの根は葛根(かっこん)として有名ですが、葛花は日本では余り用いられません。
この葛花は、健康食品として、株式会社太田胃散が商品化していましたが、その後、東洋新薬に葛の花エキスの販売権が独占的に移管されました。
東洋新薬では、葛花について、二日酔いや肝機能改善機能の他、メタボリックシンドロームにも効果があるとして、色々なデータを出しています。
葛の花には、イソフラボンやサポニンなどが含まれています。
なお、薬事法上は、葛根は、医薬品扱いになるので注意が必要です。
ただし、葛根から取り出した葛澱粉(くずでんぷん)は、当然ながら食品扱いです。
葛の花は、薬事法上は、医薬品扱いにはならないようです。
アルコール対策の健康食品・サプリメントとしては、上記の葛花の他、
ウコン、田七人参(でんしちにんじん)、柿渋(かきしぶ)、アロエベラ、螺旋水藻、牡蠣肉(かきにく)、蜆(しじみ)、オルニチン、アザミ類(ミルクシスル、ブレストシスル等)、キュウリ等があります。
この中で、キュウリには、アルコールを分解する酵素があり、胃の中でアルコールを分解してしまいます。
ですので、血中のアルコールを分解するわけではありませんが、お酒を飲む前に飲んでおけば、酔い難くはなるようです。
日本でも、記事にある「アウトックス(Outox)」と同じようなドリンクが市販されています。
例えば、『明快』、『鉄人アノムドリンク』、『サンナーズ 酒仙』などです。
広告を見ると、あきらかに薬事法違反だと思われますが、効果の程はいかほどでしょうか?
昔から「酒は百薬の長」と申しますとおり、適量のお酒は健康に良いことが、現代医学的にも認められています。
上記のような、漢方薬、健康食品・サプリメントに頼らずに、お酒はほどほどに楽しみたいものです。
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