(コメント)
記事で書かれている「隠れ炎症」とは、
「慢性的な炎症の中でも“自覚症状がない小さな炎症”のこと」
だそうです。
炎症(Inflammation)とは、
生体が何らかの有害な刺激を受けた時に免疫応答が働き、
それによって生体に出現した症候です。
一般的に良く知られる炎症は、
急性炎症の方で、
発赤 (rubor)、熱感 (calor)、腫脹 (tumor)、疼痛 (dolor)
を特徴としています。
記事に書かれている「隠れ炎症」は、
慢性炎症の一種で、
上記のような症状を自覚できません。
この慢性炎症は、
糖尿病や動脈硬化など、
生活習慣病(成人病)の原因と考えられています。
炎症が起こると、活性酸素も発生しますから、
従来、活性酸素が原因と言われていた病気も、
もとをたどれば、「隠れ炎症」が関わっているとも
考えられます。
近年、この慢性炎症が注目されています。
慢性炎症に効果のある健康食品・サプリメントとして、
EPA・DHAなどの
ω3(オメガスリー)(n-3)系の
食用油があります。
青魚由来のものが有名ですが、
植物性の、エゴマ油・シソ油、亜麻仁(アマニ)油(フラックスシードオイル)なども
ω3系の食用油として人気があります。
また、ポリアミンにも炎症を抑える作用があるとされています。
コンビ、オリザ油化、興人(こうじん)などが原料供給しています。
ポリアミンとは、1分子中にアミノ基を二つ以上含む脂肪族化合物のことで、
スペルミン、スペルミジン、プトレッシンなどがあります。
また、LPS(Lipopolysaccharide)も、
マクロファージを調整して、
慢性炎症を抑制する効果があると考えられています。
LPSは、エンドトキシン(endotoxin:内毒素)とも呼ばれ、
体に悪いものと考えられていました。
確かに、直接血管に入ると死んでしまうこともありますが、
口から入れた場合は、
マクロファージを活性化し、免疫を強化すると研究されています。
杣(そま)先生が中心となって
LPSの研究がされていて、
糖尿病や骨粗鬆症、アトピーなど
様々なものに効果が確認されています。
ただ、先に書きましたように、
学校では「毒素」として教わるので、
なかなか一般には普及しないようです。
その為、最近はLPSを「免疫ビタミン」と称して、
啓蒙をはかっています。