(コメント)
ノバルティスファーマ社は、先日
降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)で、
論文の改ざんがあり、
問題となったばかりです。
今回は副作用報告がなされていなかったということで、
製薬企業としてはちょっと信じられないものです。
薬事法が改正されて、
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等 に関する法律」となり、
安全性の確保がわざわざあげられていることからもわかるように、
医薬品の安全性の確保は重要視されていて、
段々と規制が厳しくなってきています。
そのような中での事件なので、残念でなりません。
新しい薬事法(医薬品医療機器等法)では、
医薬品、医療機器等に係る安全対策の強化として、
(1)薬事法の目的に、保健衛生上の危害の発生・拡大防止のため必要な規制を行うことを明示する。
(2)医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保等に係る責務を関係者に課す。
(3)医薬品等の製造販売業者は、最新の知見に基づき添付文書を作成し、厚生労働大臣に届け出るものとする。
があげられています。
今回、問題となった医薬品は、
抗癌剤のように、もともと重篤な副作用の出やすいものというのは
わかっていることだったので、
隠す必要もなかったと思うのですが、
何故このようなことになったのでしょうか?
逆に副作用に慣れてしまって、
安易に見過ごされてきたのかもしれません。
安全と思われていた漢方薬でさえ、
副作用で死ぬ場合もありますので、
副作用が無い薬などありえません。
健康食品やサプリメントは
医薬品でないから大丈夫と思っている人も多いようですが、
医薬品としての承認・許可を受けていないだけで、
何らかの効果を期待したものであれば、
必ず副作用はあるものと思った方が良いと思います。
健康食品・サプリメントは
効能のみの情報が発信されて
それに対して副作用の情報が少ないので、
副作用が無いように思われているだけで、
実際には、何らかの副作用はありえます。
そのような認識で、副作用のことは
もっとオープンに語られるようになるべきだと思います。
医薬品や健康食品などを利用する場合は、
そのようなリスクを把握した上で
使用したいものです。