2014年06月19日

肥満、第3の要因に「腸内細菌の変化」 伝統的な和食で予防可能


(コメント)
 肥満やメタボリックシンドロームの原因としては、
食べ過ぎと運動不足が主な原因とされていますが、
今回の記事によると、腸内細菌のバランスが、
肥満やメタボリックシンドロームに関与しているとのことです。

『サイエンス』に発表された内容は、
「片方が肥満、もう片方が痩せ形の双子4組を選び出し、
腸内細菌が大量に含まれるそれぞれの便を
無菌のマウスの腸内に移植すると、
太った人の便を移植したマウスは太り、
痩せ形の人の便を移植したマウスは太らなかった」
とのことです。

マウス(ねずみ)の実験ですので、
そのままヒトにあてはめることができるのか、
まだわかりませんが、
便の移殖だけで肥満と痩せができたと聞くと、
期待されます。

以前は、腸内細菌の数は、百種百兆個と言われていたのですが、
分析力の向上により、腸内細菌数は
1千種と、種類が10倍になっています。

腸内細菌のバランスを崩すのは、
脂肪が多くカロリーの高い欧米型の食事や
食物繊維の少ない食事、
同じメニューを繰り返し
などで、
逆に、野菜を含め、
さまざまな食材を少しずつ摂取できる伝統的な和食は、
腸内細菌のバランスを取るには適しているようです。

また、記事には、
「腸内細菌叢全体というレベルから見ると、
ヨーグルトを食べただけで大きな影響を与えられるほどでない」
とし、その理由として、
 1.ビフィズス菌などは腸内細菌の中ではマイナーな部類であること
 2.摂取しても体内にとどまりにくいこと
の2点をあげています。

ただ、ビフィズス菌や乳酸菌は、
そのもののが腸内で活動するだけでなく、
ビフィズス菌や乳酸菌を摂取することで、
他の、いわゆる善玉菌が増える効果も期待できます。

ですので、ヨーグルトを摂取するのに意味が無いことは無いと思います。

また、
「数十の菌を合わせた飲み薬が開発される時代が来る」
とのことですが、数十種とはいかないものの、
三種類の菌を組み合わせた医薬品は、
既に上市されています。

ビオスリーという医薬品で、
医療用医薬品と、一般用医薬品があります。

配合されている菌は、
乳酸菌(にゅうさんきん)と
糖化菌(とうかきん)と
酪酸菌(らくさんきん)の三種です。

この三種の菌を一緒に飲むことで、
相乗作用があることも確認されています。

医薬品ですので、副作用が全くないとは言えませんが、
健康食品やサプリメントでも、実際には副作用があります。

効果の確実性や安全性から言えば、
健康食品・サプリメントの乳酸菌製剤より、
医薬品の乳酸菌製剤の方が良いように思います。


また、腸内環境を整えるには、菌の直接的な補給のみではなく、
オリゴ糖や食物繊維などの補給も大切です。
オリゴ糖や食物繊維などの摂取することによって、
いわゆる善玉菌が増え、悪玉菌が減る、
すなわち腸内細菌叢のバランスが良くなります。

食事にも気を付けて、
乳酸菌やオリゴ糖を摂れば、
肥満やメタボリックシンドロームの改善に
役立つかもしれません。
posted by HIRO at 06:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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