(コメント)
ケイちゃんこと、ピンクレディーの増田恵子さんがメニエル氏病を患っていたとの記事で、
12月8日牛後7時に、TBS系のテレビ番組、
「駆け込みドクター!運命を変える健康診断SP」に出演して、
発症から闘病の様子などを告白するそうです。
増田恵子さんは、20代後半に一度、「突発性難聴」を経験し、
2010年に同様の症状に見舞われたものの、
約2週間放置してしまい、
メニエール病を発症したという。
2010年はピンク・レディーの解散宣言から30年が経過し、
本格的に活動を再開させていた時期で、
忙しかったのかもしれません。
メニエール病は、英語で Meniere's diseaseと言い、
「メニエル病」「メヌエル病」「メニエール氏病」「内リンパ水腫」とも言われます。
メニエール病は、日常に支障を来すような回転性めまい(自分や周囲がぐるぐる回るような感覚)の発作が
繰り返し起こり、聴力低下や耳鳴りを伴う病気です。
その他の症状として、吐き気、嘔吐、冷や汗、顔面が蒼白くなる、動悸、異常な寒気・暑さなどの温感異常、聴覚補充現象(聴覚のリクルートメント現象)等が起きることもあります。
厚生労働省の特定疾患に指定されている難病ですが、
医療費の助成のある特定疾患治療研究事業対象の疾患ではありません。
厚生省特定疾患研究班調査によると、
メニエール病は男性よりも女性に多く、
発症年齢は30歳代後半から40歳代前半にピークを持つ山型です。
発症率は、人口10万人当たり15〜18人のようです。
治療としては、減塩食と利尿薬(尿の量を増やす薬)によって発作の頻度を減らせる場合もあります。
利尿薬としては、イソソルビド(商品名イソバイドやメニレット)などが使われます。
また、内耳の神経細胞や内耳神経の活動を改善する目的で、ビタミン剤や末梢血流改善剤なども使います。
ビタミン剤としては、ビタミンB12が良く使われます。
ステロイド剤や精神安定剤、抗生物質が使われることもあります。
しかし、薬による治療でめまい発作を止めることができず社会生活に支障をきたすような場合や、
聴力が段々悪化して行くときには手術等も行われます。
リンパシャントは、しなやかな薄いプラスチック製シートを内耳に留置し、
内耳の液体の圧力を下げる方法です。
その他、中耳加圧療法、鼓膜ドレーンチューブ留置術、免疫抑制剤なども
効果がある場合があると言われています。
メニエール病に使われる漢方薬としては、
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、
真武湯(しんぶとう)、
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、
釣藤散(ちょうとうさん)、
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、
加味逍遙散(かみしょうようさん)、
沢瀉湯(たくしゃとう)、
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)などがあります。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)はのぼせ、動悸(どうき)、尿量減少、足が冷える、胃内停水、頭重(ずじゅう)、不安感などの症状があり、神経質タイプの人、青少年に効果的です。
真武湯(しんぶとう)は胃腸が弱く、脈や腹にも力がなく、冷え症で、下痢しやすい人、血圧の低い人、体力低下の人などに応用します。めまい・立ちくらみは雲の中を歩くようと表現されています。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は、胃腸が弱い、冷え症の人で、頭痛、めまい、貧血、低血圧、吐き気、便秘傾向などを伴うもの、一般にやせた人に多く用います。
釣藤散(ちょうとうさん)は中年以後の動脈硬化症や神経効帝関係が深いと言われています。
起床時の頭痛、肩こり、めまい、不眠、動悸、のぼせ、気鬱(きうつ)、イライラする、皮膚の艶(つや)がなくカサカサするなどの症状の場合に効果があります。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、体格はがっちり型であるが、神経質で、動悸、めまい、不眠、高血圧などがあり胸脇苦満(きょうきょうくまん)のある人、更年期障害のある場合に用います。
加味逍遙散(かみしょうようさん)は、頭痛、肩こり、めまい、動悸、のぼせ、冷え症、不眠など、いろいろの訴えが多い人に用います。特に女性の更年期障害の場合などに用いて効果的です。
沢瀉湯はじっとしていても、寝ていても、部屋や天井がぐるぐるとまわる、回転性のはげしいめまいを伴う人、吐き気を伴う、頭冒感(ずぼうかん)といって頭が重く、なにかが頭にかぶさった感じがする、胃内停水のある人に効果があります。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、高血症、更年期障害などとともに現われるものに用いる。鳩尾(みぞおち)がつかえて硬く、不眠、のぼせ、不安感があり、常にイライラするようなときに用います。
漢方薬はれっきとした医薬品です。
使い方を誤ると、効果が無いばかりでなく、
体質に合わない場合は、思わぬ副作用が出たりする可能性もあります。
必ず医師や薬剤師などの専門家に相談してから、
使用するようにしましょう。
療用としては、過労、極度の神経緊張を避け、
日頃から気分転換をはかり、ストレスをためないようにすることが重要です。
食事につ感ては、刺激の強い香辛料や塩分の多いものは避けなければいけません。
エビ、カニ、タコ、イカ、タケノコなどは、血毒を増進させる食べものを避けます。
コーヒーやチョコレートのような嗜好品も良くないと言われます。
冷たいもの、水分の多いもの、酸味の強いものも控え目にします。
酸味の強いものの過食は、神経緊張を高めると考えられています。
全般的に、肉類を少なくして、野菜類を多くします。
おすすめの食べものは、胡麻(ごま)、山椒(さんしょう)、生姜(しょうが)、小豆(あずき)、大豆(だいず)などです。
胡麻(ゴマ)は、栄養を付け、体を強健にします。
最近は、セサミンなどが注目されています。
山椒(さんしょう)と生姜(しょうが)は、胃腸をあたため、胃腸内に停滞した水分を取り除く効果があります。
ただし香辛料で刺激性があるのて、過食は避けます。
小豆(あずき)、大豆(だいず)は、利尿作用や体内水分の円滑な循環を促進させる作用があります。
メニエール病は難病となっているように、
改善しづらい場合も多いようです。
できるだけ早目に専門の病院に行き、治療しましょう。